多賀城市立図書館の書架のボックス・仕切り板「宮城の文学」「歴史」「史都多賀城」についてOPAC上の書誌分類がどのように登録されているか対応を調べてみた。
1. 多賀城市立図書館ライフスタイル分類と書架分類の対応について
(1)「宮城の文学」
「宮城の文学/多賀城ゆかりの文学」、「宮城の文学/宮城を題材にした作品」は小説関係ジャンルの別置となっていて、対応する書誌分類が存在しない。
郷土資料と小説関係の書架にもこの種の本が格納されているが、基本複数冊あるものがこちらに入っているという形を取られているようには見えた。
(2)「歴史」
「歴史」書架のボックス、仕切り板は書誌ジャンルの区分と比較的対応が取られていた。ただ、資料管理上設けられているジャンル(定期刊行物、歴史に関する団体、歴史研究等)や開架書架に現在該当する本がないためか設けられていないジャンルが多数見つかっており、書誌分類として機能させる意図はある事は分かる。ただ現状必要性のある分類だといえるほど練り込まれているようには見えず、分けないで良いところを分けているように見える。今の資料規模ならここまで分ける必要はない。
それよりも仕切り板を大きくするなどある程度離れていても、その書架の正面に立たなくてもどの本が入っているか分かるように改善して欲しい。壁面書架の探しにくさは武雄市図書館以来、初の新築ツタヤ館でも改善が見られない。
なお1階蔦屋書店フロアの壁面書架は大ジャンルについて大型の突出したネジ止めプレートが取り付けられていて、こちらは改善されているのに何故同種試みを図書館フロアでも行わないのか疑問を感じる。
2. 書店と図書館の違い
書店のジャンルは簡単に見直しが図られる。実際に本を手にとって買ってもらう事が一義的な目的であり、書籍構成も日々変わる(書店員によっては朝と夕で客層に応じて並べ方を変えるという方もいる)訳で仕切り板の変更ぐらいは必要があれば行われるものだと考えるべきだろう。
図書館は資料の見直しは行われるが書店に比べれば長期保有されるし、書架自体が一定の規則性を持って並べる事で物理的なインデックスを構成していて書店とは本の見せ方の考え方が異なる。
CCCのライフスタイル分類(ジャンル分類)を使わなくてもNDC順と別置を組み合わせれば読者目線の書架構成も可能なはずで、無理矢理代替手法にリソースを割いて「特徴」だと言い張っているように見える。
指定管理者制度はあくまで自治体の施設について仕様書に従って企業・団体が運営を行うものであって、その企業・団体が自由に運営するようなものではない。入札によって指定管理者が変わる事も日常茶飯事(この事の是非は議論の余地はあるが)な状況で、特定企業の為の仕様書に基づいて業者選定が行われる事は問題だと思う。
ライフスタイル分類がそのような競合排除の手段になっている側面はもっと批判されてしかるべきではないか。