2015年3月12日木曜日

いわた書店(北海道砂川市)

先月旭川方面へ行く機会があったのですが、夕方まだ時間があったので砂川駅で途中下車して、いわた書店に立ち寄ってきました。



いわた書店はJR砂川駅から徒歩3〜5分、国道添いにある小さな書店です。何故立ち寄りたかったかと言えば、こちらの書店で取り組まれている1万円選書について新聞やWebメディアで取り上げられていたからです。取り組みは申し込みに際してカルテを送ると書店の方で1万円の範疇で本を選書して発送するというもの。
ネットでも紹介記事は多く出ていますので、この件に興味がある方は検索されるといくつか出てくるはずです。

私が見たかったのは、そのような取り組みを行っている書店の本棚でした。こればかりは実際に行って見てみないと分かりません。という訳でふと気付いたら、これ、砂川駅で降りたらいいよね?、場所も駅から徒歩3分?(積雪考えなければ余裕。実際は圧雪路状態なので5分ぐらい)と途中下車してiPhoneの地図を頼りに夕方訪問。

粉雪が大量に積もった車道とも歩道とも分からない道を150mほど歩いて国道12号線へ。交差点からいわた書店さんが見えるほど近さ。
砂川駅は特急停車駅なのでわりと行きやすいですね。車でも国道12号線に面しているので行きやすそう。(日本一長い国道直線区間の北側起点にほど近い場所です)

雪を払って店内に入る。店舗は長方形で奥行きがある。
左側にコミックス。奥に時代小説や翻訳小説などの特定ジャンル文庫、右側は児童書が配置されている。
また中央にも背の低い本棚+平台が配置されていて、左側が雑誌、右手前側に単行本を中心に小説やノンフィクション本(文庫も一部混じっていた)、右奥側に著者別で文庫本が配置されていました。

面白いのが中央右側手前の小説・ノンフィクション棚。雑多に並んでいるのですが「こういう本があるのか!」というものがあって面白い。
これはと思ったのは、堀淳一著「北海道 地図の中の鉄路―JR北海道全線をゆく、各駅停車の旅」(亜璃西社)。北海道の鉄道本ですが地形地図と解説が乗っていて大変面白そうな一作。渡辺一史「北の無人駅から」も並んでいましたし、ポイント押さえられているなあ、と丹念に拝見してました。
1冊記念に何か買おうと思ったら羆の本が目に入ったので、ならば吉村昭「羆嵐」はないかと文庫棚行くとちゃんと並んでました。こちらを査収して撤収。

小さな書店はもはや行っても仕方ないと思っている方いらっしゃると思いますが、これは誤りでしょう。「書店の方がどういう本を仕入れて並べるか考えていないところはどこ行っても意味がない」は正しいと思う。
考えて棚を作られていると個別に発注入れて取り寄せられたりして、こういうつながりの本を揃えてみたという事が分かるようになっていてそこに新しい発見があります。

いわた書店の場合、1万円という予算でカルテに従って本を選んで送るという試みをされており、本のつながりを考えられている事が棚を見ても伝わってきます。
何故こういう書店が減っているかと言えば、中小書店の利益源である雑誌市場のコンビニとの取り合いと雑誌自体の不振、家族経営で後継者がいない、売れない書店に本が回されないし発行部数が抑えられているのにタイトル数は増えているといったあたりには理由が見え隠れしているとは思いますが、業界として早く対策しない限り今ある取次、書店はどこも持たないだろうと思います。

また空知地方回る機会があれば立ち寄りたい書店です。駅から誓いから鉄道旅行の人も大丈夫なので是非。
なお日曜日やられていません。営業時間等は事前にFacebookをチェックされた方が良いとは思います。

いわた書店(北海道砂川市)

いわた書店のブックカバー