クラーク書店中央店
もともとは別の書店(雲母(きらら)書店)が出店されたようなのですが、2006年に突然閉店されており、その跡にクラーク書店が入ったというのはGoogle検索で確認したところ。(Googleマップ)
入ると左手に雑誌、右手に書籍の背が低い本棚が並びます。 中央よりの棚は単行本や特集コーナー。司馬遼太郎や吉村昭の文庫がまとめられていますが、この二人を組み合わせるあたりバランス感覚働いているなと勝手に憶測。
ヘイト本のコーナーがなかったのは大変ほっとさせられるのは今時の売れる商品が正義の書店が増えているからでしょうか。書店員は営業職だと思うのですが、売れている商品を売るのは普通評価されないという常識から外れていて痛い。
本棚には新聞の切り抜きが貼ってあり、ちょっとした特集コーナーが多く置かれています。お店の方が重要と感じた所に線が引かれており、本への興味を持ってもらおうという工夫がみられました。集団的自衛権の件はある論客のインタビュー記事で書評記事ではないというのは大変面白い取り組みだと思った次第。これ、経営者の理解がないと出来ませんが、ひょっとしたらその経営者ご自身のセレクトでしょうか。
翻訳小説文庫、TSUTAYAのようなチェーンの地方店舗だとあまり力を入れてませんが、このお店ではハヤカワ文庫が多く並んでいて好感。講談社文庫などの翻訳小説もならんでますが、東京創元社はゼロというバランスは謎でした。
稚内市、おそらくナショナルチェーンの大型書店はありません。古き良き時代の中規模店はこのような地域だとまだ残ってます。雑誌が売れなくなっている事で大変影響は受けていると思うのですが、今後もこのような書店が地域から愛され続けて欲しいと思った次第です。
(この新聞は縮刷版が刊行されており、北海道立図書館に収蔵されていたおかげで読む事が出来た)
この記事読むとクラーク書店の1998年までの歴史を知る事が出来る。創業は1984年で50坪満たない店舗面積でスタート。地方で評価を受けている書店の条件を挙げられていて「第一に経営者の明確な経営理念(その地域に対する熱い思い入れと言って良いかもしれません)、第二にそれを可能にする為の資金、第三に業界関係者の理解が不可欠」とされていて大変興味深い。創業当時は実績がなかったので最低限の配本パターンでの回転になったとの述べられている。コンビニで雑誌が置かれるようになった事は影響があったようでその事も言及。昨年で30周年迎えられている訳ですが、その理念は継続されているように思った。
稚内に行かれる事があれば駅から徒歩3分ほどで行けます。駐車場もあるので車の方もOK。立ち寄られてみてはいかがでしょうか。