2014年9月25日木曜日

岡山県立図書館

2014年8月に岡山県立図書館に行って見た。
この図書館の存在は気になっていた。何がといえば、来館者数が2005年〜2012年の7年間のうち6回100万人突破しており、もう1回も98,604人(2010年度)で7年連続で全国都道府県立図書館来館者数第1位を誇っている図書館だった為だった。実際に訪問してみて何故利用者が多いかはその一端を見る事は出来たような気がする。


岡山県立図書館は岡山城近くの県庁の前にあります。路面電車だと少し歩きますが、バスなら県庁前のバス停=玄関前なので利便性は高そう。
思ったより大きな建物で1階、2階に開放書架とカウンター、その他の付随施設が配置されています。勿論一番面積を取っているのは書架群。

館内はシンプルなレイアウトで本棚が整然と整列されていて分かりやすい。検索機も多く用意されている。検索システム自体はWeb化されており、館外からも利用可能なので事前に検索、予約が可能。
この検索機が出力するレシート、本の状態(貸出可/貸出中等)、場所(1F、2F棚名称もしくは書庫)が記されている。よくありがちな地図はないが、場所表記と分類コードがあれば問題なく目的の書架に辿り着ける。これはシンプルに本棚を整列させている事で得られるメリットでしょう。

窓際の席には電源と情報コンセントが設けられておりPCの持ち込みも可能。その為、ウィルス防御ソフトが入っていないPCはつながないように注意喚起するポスターが結構見受けられた。
DVDやCDの視聴スペースも工夫されていて、映像は1人用机を組み合わせたものが用意されている。CDについては席数を稼ぐ工夫が合理的に為されていて、長椅子にスロットインタイプのCDプレイヤーが複数台組み込まれていて座って聞けるようになっていた。

収蔵資料見ていて、これは県立図書館ならではと思えたのは充実の郷土資料に加えて外国語書籍の書架の充実ではないだろうか。館内の一角がこれらの書架が割り当てられており、県内のニーズへの対応観点では納得出来るものだった。

実際、行ってみたら大変利用者の多かったのが印象に残った。
岡山市も図書館を整備しており中央図書館と地域に対応した図書館を整備している。こちらとどう役割分担しているのかはちょっと見ていて把握出来なかった。この点は岡山県がどのように県内市町村図書館に対して支援を行っているのかという観点でまず見るべきではあると思う。(この点は来館者対応の部分では分からない事なので今回は調べていない)

番外編:この日、図書館で見つけた本
2時間ほど本棚を散策し、2F交通書架で野間恒編著「商船が語る太平洋戦争 商船三井戦時戦史」を見つけて30分ぐらい熟読。大阪商船、三井物産、三井船舶の持ち船、または傭船していて太平洋戦争中に空爆または雷撃、砲撃、触雷で戦没した311隻の商船の概略と戦没時の状況、亡くなられた5,731人の海上従業員のリストを記載したもの。(機雷攻撃は別途リスト添付)
巻頭カラーページには戦没した日本商船と乗員たちを描いた絵画が掲載されている。有名なぶらじる丸の船長が沈む船のブリッジで万歳を叫ぶ絵も収録されていた。

あと、珍しかったのは戦中の時刻表が何点か開架本棚にあった事。貸出禁止ですが手に取ってみる事が出来たので昭和19年秋(10月号か11月号)のものを手に取ってチェック。基本的に今、出されている時刻表のレイアウトそっくり。ただ版型が小さくカラーページもないところが一番の違いに見えた。
北海道の路線地図を見ると札沼線の大半の区間が運休。そしてまだ終点までつながっているし、新十津川の名前も載っていない。(並行路線もあった為か、休止措置の上でレールの撤去(樺太へ転用)されたとの事。今、新十津川駅まで引かれているものは戦後再敷設されたもの。新十津川から石狩沼田区間はその後利用者数が少ない事を理由に廃線)
巻頭の判例等の記載の下に廃止・休止した路線・駅の一覧が掲載されていて戦時で物資等の不足の影響からか思ったより多くの廃止・休止情報が掲載されていた。

岡山県立図書館正面玄関側。向かい側は県庁舎


西側交差点から見た図書館

図書館東側。岡山城の一角にある